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「彩音ちゃん、諒のことは気にしなくていいから」
透くんが私のほうを優しく見つめそう言う
「あ…うん…」
すると、私に気づいたのか諒という子が透くんのママから離れ口を開いた
「お前誰?クラスの女子よりはマシだけど、ブッサイクな顔だな」
な…
「何よ!透くんとちょっと顔似てるけど、あんただって性格悪そうじゃない!!」
「はぁ?」
彼の眉間にシワが寄る
「透と似てるのは従兄弟だからしょうがねえけど、性格悪いってなぁ…」
あれ?今思えば私変なこと言ったかも…
透くんと比べるなんて…
まるで透くんのこと良いと思ってるみたいじゃん…
「恥ずかしい…」
「ん?恥ずかしいって?」
あ…やだ…透くんに聞こえてた…
「な…何でもないよ…」
はぁ…ドキドキした…
「沙耶!そろそろ行くぞ」
私の後方からそう口にする透くんのパパの声が聞こえた
「うん…!みんな、それじゃあね」
「ママ、行ってらっしゃい」
「じゃあなー沙耶」
「こらっ!呼び捨てにするな、諒!」
「うるさいやーい」
透くんのパパにそう注意された諒くんはべーっと舌を出して校舎のほうへ走り去って行った
「彩音ちゃん、俺たちも行こう。急がないと遅れちゃう」
「うん、そうだね」
そうして私と透くんも校舎のほうへ向かい歩き出した
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