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「今更行きにくいよ。5年まるまる会ってないんだぜ?」
「だからこそ会って来なさいよー。 それとも、フラレたから会いにくいの?」
「何年前の話してんだよ?・・・てかおい、ババァ!何で付き合ってたって知ってんの?」
そうなのだ。俺は菜緒と中3の時、一年間付き合っていた。
俺の初恋の人で、初めての彼女。
近所で付き合うと周りの目が気になるから、親には隠していた。
・・・つもりだったのだが・・・
「中学生のやる事なんてお見通しよ~。それより別に隠さなくても良かったじゃない。」
母さんが楽しそうに話す。俺はバレてないと思ってたから恥ずかしさが増してきた。
「てか、気付いてたくせに何で何も言って来なかったの?」
「えっ、何か言って欲しかった?」
「いや、言わないでいてくれて良かったけど。」
「どうせすぐ別れるだろうと思ってね☆それに別れた後に菜緒ちゃんの親と気まずくなるの嫌だったからっ。」
・・・うぜー。
「結局菜緒ちゃんとはどこまでやったの??」
母さんの顔がニヤける。
ウチの親はこーゆう、いわゆる下ネタを平気で息子に話す。
「・・・言いたくない。」
親子でこういう話はなんだか嫌なんだよなぁ。
ってかなんだよこの会話・・・。
なんだよこの親・・・。
「良いじゃない。昔の話なんだから~。」
「アンタには絶対言わない。」
「って事はそうゆう事なのね☆」
俺は反応しなかった。
知られたら、これから菜緒と母さんと3人で偶然会った時、気まずいだろうから。
「もぉー!!別に良いじゃないーケチ!!じゃあ、何で別れちゃったの~?ずっと聞きたかったのよ。やっぱり遠距離は無理だった?」
こいつ、ここぞ!とばかりに色々聞いてきやがる…。
「知らんよ。いきなり『別れて』って言われたんだから。」
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