90人が本棚に入れています
本棚に追加
階段を駆け降りる。
菜緒の家は隣の建物の2階。
行くとちょうど引越し業者が挨拶をし、車に乗り込んだ所だった。
どうやら荷降ろしは終わったようだ。
トラックを見送り、振り向いた菜緒のおばさんが俺に気付いた。
「あら、祐ちゃんじゃないの?久しぶり。すっかり大人っぽくなったわねぇ。」
生活時間が違うからか、おばさんに会うのも久しぶりだ。
「こんにちは。母さんから菜緒が戻って来たって聞いて…。」
周りに菜緒の姿は見当たらない。
「わざわざありがとうね。菜緒今家の中に居るから祐ちゃんもいらっしゃい。引越しで散らかってるけど。」
「お邪魔します。」
おばさんについて菜緒の家へ向かった。
「菜緒―。祐ちゃんが来てくれたわよ―。」
玄関でおばさんが菜緒を呼ぶ。
「祐介!?」
菜緒の声が聞こえた。昔の面影を残しつつ、少し落ち着いた声。
「さっ、祐ちゃん上がって。」
おばさんに促されるまま家へ上がった。
「待って!祐介来ちゃダメ!」
菜緒が叫ぶ。しかし遅かった。。。
「えっ!?」
久々の再会の俺の第一声は驚きの声だった…。
最初のコメントを投稿しよう!