第3話 再会

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誰かの話し声がによって岩田の意識は覚醒した。だが目がぼやけて何にも見えない。起き上がり眼鏡を探すがどこにあるのか解らず途方にくれているとカーテンが開く音がした 姿がぼやけて見えない岩田が困惑していると相手は岩田に向かって眼鏡を放り投げた 「あ、ありがと」 「お前の服、ボロボロだったから今洗濯やら何やらに出してる。余った服で悪いけど、暫くはその夏服で我慢してくれ」 「あ、ありがと。恩にき……へ?」 眼鏡をかけ相手を見ると岩田は絶句した表情になった。アイボリー色の肩まである髪に、前髪が落ちないように緑色のヘアピン。そして丸い眼鏡…服は違ったが、その顔を忘れるはずがない。 「川崎!? なんだその格好……ていうかここ何処だ!?」 「落ち着けよ。で、まずは俺の質問から答えてくれ。何でお前がこっち側にいる?しかもよりによってこんな時期にさー……來がお前の事教えてくれなかったら確実に今頃首はねられてたぞ? ったく、折角驚かせようとしてたら急に倒れちゃうしさー」 「じゃあお前が弓とか魔法を?」 「ま、そういう所かな。感謝しろよ? この借りは高くつくからな!」 頭をかきながらクラスメイトである川崎は大きくため息をつく。 そしてそこで自分は三日も眠っていたことと、川崎があの獣から自分を助けてくれたことを教えてもらった。礼を言うと川崎は人差し指で岩田の凸を触りる 「大分熱下がったな。37.5ってとこか?」 「人差し指だけで触っただけで解るのか?エスパーかお前」 不思議そうに見上げる岩田を無視し、軽くベッドに押し戻すとカーテンを閉めて出て行く。焦って起き上がろうとした岩田をカーテンの隙間から顔をだし、そこに寝ていろと釘をさし顔をひっこめる。 戸惑いながら返事を返したが、やはり不安になった岩田はカーテンをそっと開ける。そこには薬品やたくさんの本がつまれており、瓶を持った川崎が戸棚にしまっているところが目に入った。 その腰には細身の剣がささっている。やがて視線に気づいたのか、川崎は腰にさしていた剣を撫で、苦笑いを浮かべる
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