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帰ったらゲームではなく、腕輪を外すことを考えなければならない。ため息をつき岩田はバッグを持って教室を出た。そんなとき、ふと横を見ると出たらすぐある鏡に目が行った。いつもは気にすることはなかったが、今日にいたってその鏡を見てしまう。
自分自身が映し出されているが、どこか違う雰囲気を出しており、腕輪が小さく輝いている
―――見つけた
「!? 」
突如声が響きあたりを見渡すが誰もいない。だが様子がおかしい。今は夕方だというのに太陽は既に沈み、赤い月が出ていた
「赤い月!? なんだこれ……なんなんだ!? 」
鏡に視線を戻すと自分自身が自分を見て笑っていた。恐怖心を覚えた岩田は逃げようとするが鏡の中から自身が手を伸ばして彼の手を掴んだ。
必死に手を振りほどくが振りほどけなく逆に強く捕まれ岩田はどんどん鏡の中に引きずり込まれていく
「は、離せ! おい、誰か、誰かいないのか? 」
そう叫ぶが周りは人っ子一人いない。非現実なことと、恐怖心から涙が出てくる。一体何故こんなことになった? 体がすべて飲み込まれる際、岩田は今までより一番大きな声を出した、だがそれに答えてくれるものは無い。
やがて、月は消え、
先ほどの静が嘘のようになる。今までいなかったはずの生徒たちが下校する中
鏡の前に、不自然バッグが一つ置かれていた。
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