第三章 本当の気持ちと未来の形。

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「ナイスキャーチ!」 「ムリしますね」 「お互い様だーから。空港まで向かっといてやめましたとか犯罪だよ」 「罪を犯してでもここに帰って来たかったので」 「こーこって言うのは私の前にってこーと?」 「この町にです」 「ふーん。まぁ、ついきゅーはしないであげるね」 「こほん。いつまでそうしてるつもりかな?あ・な・た?」 「私が死ぬかもだから」 零を横目に見ながら真冬は立ち上がった。 「ユウト後で反省会ね」 「えぇ!?さっきのあれって僕のせいですか?」 「いつまでも押し倒されてるからね。抵抗の意志がないと見て反省会確定」 「恨みます真冬。それになんか僕まで甘い匂いします」 「あぁ、それは昨日の夜からずぅーっとケーキを食べてましたから」 「甘臭いとか最悪です」 「甘いは正義です。異論はなーいですよね?」 その妙なプレッシャーはなんですか?異論があるって言ったら僕が食われそうです。 「ありません」 「おーぉ、甘党フレンドだー」 「喜んで貰えてなによりです」 なんかもうなにしにきたかわからなくなってる。 「それじゃあ、私達そろそろ次行くから」 「はーい。あ、しんじょー様に甘いプレゼントどーぞ」 握られた拳の下に手を出し受け取る体勢を取った。 「はい」 しかし手が開かれるが中からはなにも出てこなかった。 遊ばれた。 そう思った瞬間。 ゴンッと鈍い音が聞こえ頭が痛んだ。 「なんかゲンコツしないとだめそーな流れだったんでこれで貸し借り無しでよろー」 「は、はい」 痛む頭を押さえ真冬の家を後にした。 「絶対みんな打ち合わせしてますよね」 「ゲンコツのこと?」 「はい。だってみんな頭狙ってますからね。おそらくリンの差し金だと思われます」 「凜華ちゃんにしてはなんかショボくない?」 「それでは姉さんは打ち合わせ無しでみんながみんな僕の頭を叩いてるって言うんですか?」 「そう思う」 「んーそうは考えにくいけど僕の考え過ぎて可能性もありますからね」 「ところで私達はどこに向かってるの?」 「新の家です。バカだけど親友(仮)なので」 「親友(仮)?」
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