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踏み出した勢いのまま左足で蹴り上げた。
「ふ、甘い。甘いぞ!」
あっさり掴まれ払われる。
「っと!」
返された左足のせいで右足がぐらつきバランスが崩れた所にわき腹に一発拳を入れられた。
「っぐぐぐぐ!!!」
い、岩をぶつけられたみたいだ。石でも握ってるんじゃないか?
なんとか倒れずには済んだが相当なダメージが残った。
「来ないならこっちから行くぞ!」
一瞬で詰め寄られ右の拳が飛んできた。
「っ!!」
姉さんが見てるんだ。こんな格好悪い戦い見せられるかよ!!
右の拳を紙一重で避け、伸びきった右手を左肩に当てた。
狙うは前足。
踏み込んだ前足を綺麗にすくった。
「なっ!?」
「こんんのやろおぉぉ!!」
バランスが崩れた師匠を背負い投げた。
ダンッと言う大きな音が聞こえたかと思うと師匠は受け身を取ることなく倒れた。
「はぁ、はぁ・・・・・・」
「なるほど、少しはやるようになったわけだ」
はは、無傷か。
立ち上がる師匠は平然としていた。
「一応、死ぬ気で守りたい人がいるので」
「そうか。だったら潔く散れ」
その言葉が聞こえ終わるとテレビの電源を消したかのように視界が真っ暗になった。
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