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「鼻息荒いよ?歳?」
我ながらムカつくわ。
『ふざけるのもいい加減に・・!』
「なんだよ。」
「未来、それくらいにしておけ。」
・・は?
「なんで?」
「先生が可哀想だろ。」
『レン君・・・』
この女・・レンにまで色目使ってたのかよ。
最低だな。
作戦失敗か。
今のって・・フラれたも同然だよね?
最悪。
「レン・・だけは・・信じてたのに・・他のクラスの馬鹿な男とは違って・・・こんな女に・・・」
私は泣き出してしまった。
「え?ちょ、なんか誤解してないか?」
私はこの言葉にキレた。
「誤解もなにも・・事実だろ!?レンなんか大っ嫌い!そんな奴だったんだね!」
あぁ・・死にたい・・・・昔の記憶がよみがえってくる・・・・何度も死のうとして・・・レンに助けてもらって怒られて・・・・・
「あ・・ダメだ!未来!行くな!あの目は・・・・!」
私は無意識のうちに走り出していた。
後ろから誰かが追いかけてくる。でも脚力で私に勝てる奴なんかいない。
私がたどり着いたのは屋上だった。
私は屋上に入ると誰も入って来ないように内側から鍵をかけた。
この学校の屋上は変だ。内側から鍵がかけられるし、内側にチェーンがついてるのに外側にはついていない。
まさに自殺志願者の天国だ。
「レンだけは・・・信じてた・・・・・」
屋上のコンクリートの地面に水滴が落ちる。
次から次へと。
「おい!未来!開けろ!!」
レンがドアをドンドン叩きながら叫ぶ。
「うるさい。帰ってよ。」
「未来!お願いだから・・!」
「黙れ裏切りもの。」
「裏切りものってなんだよ!俺なんかしたか!?」
「とぼけないでよ。帰って。」
「帰らない!!お前が出てくるまで!!」
はぁ。
「好きな人にフラれて死ぬ人の気持ちなんかわかんなかったけど・・今ならわかるね。フラれたどころか・・色目使われて落ちたとか・・・・最悪・・・・」
「だからなんのことだよ!!」
「死ぬしかないかな?誠一に会いたかったな。・・レンなんかじゃなくて・・・誠一のこと好きになってればよかった。」
私は柵に向かって歩き出した。
「・・どういう・・・未来!!」
「バイバイ・・!レン!」
「おい!?未来!!いやだ!死ぬな!!!」
なんでそういうこと言うの?
「レンのせいじゃん。」
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