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早く、彼女に名前で呼んでもらいたい。
九一さん、と。
そして、彼女を名前で呼んでみたい。
瑞希、と。
「九一、一緒に飲もうぜ!」
突然、部屋に晋作が乱入する。
「おっ、瑞希もいたのか!ちょうどいい、酌してくれよっ。」
そう言って、彼女の肩を抱き、腰を寄せる。
「離れてください、晋作さんっ!」
「嫌よ、嫌よも、好きのうち、だよな?」
・・・・・急に、牛の血が見たくなった。
「うぎゃあぁぁぁぁぁぁ!」
さて、邪魔者はいなくなった。
すっきりして部屋に戻ると、彼女は机にもたれて眠っていた。
そっと、その肌に触れようと、手を近づける。
彼女の少し乱れた髪を直し、肌に触れようと、指を伸ばしたその時。
「遅いから迎えに来たんだけど?」
稔麿が入ってきた。
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