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「無駄になっちまったか・・・」
敵に塩を送るわけじゃねぇが、不器用なあいつらへの、俺なりの後押しはしてきた。
今隣にいたって、次どうなるかなんて誰にもわからねぇ。
それなら、後悔しねぇように生きてもらいてぇんだ。
てすりにもたれ、晴れ渡った空を見上げると、かもめが飛んでいるのが見えた。
脳裏に浮かぶ、彼女の顔を振り払うように首を振る。
手に入らなかった女のことを、うだうだ悩んでる暇はねぇ!
俺には、することがあるからな!
まずは・・・船酔いとの戦いだぜ!
頑張れ、俺!
船なんぞに負けてたまるかぁー!
・・・・・簪は晋作の手を離れ、海中深くに消えていった。
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