85人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ?晋作さん、どうしたんですか?」
「もう、慣れたか?」
彼女の隣に腰を下ろして、話しかける晋作。
「だいぶ、迷惑をかけることもなくなったと、自分では思うんですけど・・・」
自信なさげに、笑う瑞希。
「そうか。すっかり、小町みたいになったな。」
そう言って、くしゃりと、彼女の頭を撫でる。
「私まだ髪直せないんですよ…」
瑞希は、晋作の顔を恨めしそうに見つめ、乱れた髪を撫で付けた。
「大丈夫だ。多少髪が乱れてても、綺麗だから。」
・・・口説いてるのか、それは?
姿を現す機会をうかがいつつ、二人の会話に耳を澄ませる稔麿。
「綺麗じゃないですよ。」
瑞希は、寂しそうに笑う。
「そうかぁ?俺はお前ほど綺麗な女にお目にかかったことはないぞ?」
「買いかぶりすぎです。」
そう言って、瞳を伏せる。
最初のコメントを投稿しよう!