疑惑

6/8
前へ
/83ページ
次へ
「なぁ、お前がいた世界ってどんなだった?」 晋作は、頭の上で腕を組み、空を見上げる。 同じように空を見上げる瑞希。 「そう、ですね・・・」 何か思い出しているのだろうか、瞳が閉じられる。 その姿を横目で見ていた晋作は、思わず唇を寄せる。 バキっという音がして、驚いた瑞希は目を開ける。 隣にいたはずの晋作がいない。 「えっ?あれっ?晋作さん・・・?」 きょろきょろと、辺りを見回す瑞希。 「全く、ほんとに神出鬼没なんだから。さて、休憩時間もおしまいかな。」 大きく伸びをして、お盆に空いた皿を乗せ、その場を去っていく。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

85人が本棚に入れています
本棚に追加