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「それを言うなら、お前だってこんなとこからこっそり見ているなんて、卑怯じゃないかっ!」
「卑怯?卑怯って言うのはね・・・」
にたりと、笑う稔麿。
先ほどから、彼女に近付いてくる男たちに向かっていた怒りが、一気に目の前の男に向けられた。
「うぎゃぁぁぁっぁぁぁっ」
宿の中での様子は、大体わかった。
あとは、外でどう振舞うか。
自分から進んで外に出かけないなら、出かけるように仕向けるまで。
女将に話して、休みに連れ出してみるか。
すっきりした稔麿は、宿を後にする。
「お~いっ。俺はどうするんだよ?」
ぷらぷらと、木に吊るされた晋作が、褌姿で揺れていた・・・
「ぶえーっくしっっ!」
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