入江九一

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未来について聞きたいことがあれば、ひとつだけ教える。 私以外のものとした約束。 彼らに便乗して、私も問うた。 私の名前は、歴史に残るのか、と。 本当は、自分の行く末を知りたかった。 幸せだったのか。 誰かと所帯を持つことはできたのか。 言い出せばきりがない。 私は、誰かを幸せにできるような人間なんだろうか? 先生に従い、行動した結果、先生だけが処罰されてしまった。 皆のように、先生を止めるべきではなかったのか? 話がそれた。 その問いを口にしたなら、彼女が困ることはわかりきっていた。 また、悲しそうな顔をして笑うのかもしれない。 知らない。 そう、ごまかすことは彼女はしない。 なぜかそう思った。
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