哀色アイロニー

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よくある光景 テキストの1ページ 「後ろの正面だぁれ?」 気分が悪いので保健室 珍しく満員 簡易病棟、エスケープ 「うまくいかないものだよね。」 次の場面まで早送り 大きな箱庭で 好き勝手憶測が飛び交って コンクリートの迷路には 迷彩模様の敵が身を潜めて またここにいる 駅のホーム 沈みかけた夕日 もうすぐ日が落ちる そこに君がいる 呼吸を感じる 緩くまとわりつく 君の腕が、体温が、愛が… 珍しくもないのに 簡易病棟、エスケープ 「うまくいかない方がいいの。」 次の場面なら早送り、 そこに君がいる 呼吸を感じる 緩くまとわりつく 君の腕を、体温を、愛を 望んだのはー まだここにいる 繰り返して 沈みかけてる 押し殺すように握り締める もう戻れない 駅のホーム 発車のベルは鳴らないで ふわりと日が落ちた
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