雲詩 Ⅰ

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僕の指が凝り固まって 二度と開かなくなったとき 君はどんな言葉をくれるかな 深青の部屋は無音 すすり泣く声も もうずっと昔の幻想のようだ 僕は死んだ。 四肢の末端から凍っていく 深い眠りに強く引きずり込まれる瞬間 抗えない真理を思い知った 泣くだろうか、 僕が消え去った世界で 君は生きなければならない 幼い命が、 愛をもって育まれた命が 助けを求め蜘蛛の糸で首を括る この地獄のような世界で それでも君はただ独り、 生きなければならないのだから
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