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その二人が店を完全に出た事を確認し、老婆はゆっくりと振り向いた。
「よくココまで辿り着いたな」
口角をゆっくりと上げながら、皺だらけの首に潜んでいた喉仏が動く。
放たれた声音は、すでに年老いた女のものではなかった。
顎の下に、意外にも綺麗な指先が添えられる。
ペリペリ……と、独特の剥がれる音が薄闇に小さく響いた。
「真実? 全てはあそこに置いて来た」
どこかで聞いたような台詞に、作者がドギマギする。
「だが、あえて告げようっ! じっちゃんの名に……」
ピーーーーーーーーーーッ(自主規制音)。
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