織田龍斗の場合~バレンタイン編~

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ドキドキしながらドアをノックする。 ーー寝てるかな? そう思ったが、丁度寝る用意をしている最中だった。 「入って良い?」 許可を貰って中に入る。 ーーまた、寝てないな。もう、夢中になったら色々忘れるんだから…。 そんなことを思ってると兄ちゃが抱えてるぬいぐるみを見て 一緒に寝たいのかと聞いてきたので、苦笑して否定し 「違うよ。バレンタインだから兄ちゃにチョコを渡しに来たんだよ?うささんがね。」 そう言いうさぎを兄ちゃに渡す。 「チョコってかプレゼントし合う日って感じだからさ。いつも頑張ってる兄ちゃにプレゼント。」 本当は違うけどね。 でも、言わない。 困らせてしまうだけだから。 そう言って兄ちゃに手渡した。 大事そうに抱えて開けていい?って聞かれたから 「いいよ。」 と、笑顔で答えた。 兄ちゃはうさぎから箱を取り包装を丁寧に剥がして箱を開けた。 可愛らしいチョコを見てみるみる笑顔になる兄ちゃに嬉しくなる。 食べにくいなぁと言うが促して兄ちゃはくまのをパクリと食べた。 ――ゴクリ 生唾の音が聞こえそうなくらいに兄ちゃをじっと見つめて兄ちゃはおいし と笑ってくれた。 何度も本当?と聞くと本当と答えてくれる。 それと共に隠し味が効くのを待つ。 疲れていても、もう知らない。 オレだって我慢の限界なんだから。 少し眠ると言う兄ちゃと別れて部屋に戻る。 下から龍児達の声が聞こえる。 夕方、龍児がルディアと作ったトリュフチョコを食べて暫くすると兄ちゃがオレの服の袖を掴み見つめる。 ーー隠し味効いてきたみたい。 ニヤリと笑い兄ちゃと部屋に向かいチョコより甘い時を過ごした。 喜んでくれたし、大成功!            完
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