0人が本棚に入れています
本棚に追加
ドキドキしながら待ってると、
ーー来た。
朝起きて居なかったのが不安だったのかちょっと震えていたのを優しく抱き締め頭を撫でてやる。
暫くして落ち着いたルディアに机に置いてあった箱を渡そうとして、不意に涙が溢れてしまった。
ルディアがおろおろして、泣かないで?と涙を指で拭ってくれた。
「一生懸命作ったのに、練習で作った方が美味しいし、味も見た目もダメダメだけど、ルディア、初めて作った紅茶トリュフチョコ受け取ってくれる?」
そう言ってルディアに手渡した。
大事そうに抱えて開けていい?って聞かれたから
「いいよ。」
と、精一杯の笑顔で答えた。
ルディアはラッピングを丁寧に剥がして箱を開けた。
明らかに一口では無理なものから小さすぎるものまで様々な形があり、ルディアは比較的に食べやすい物を一つ摘み食べた。
――ゴクリ
生唾の音が聞こえそうなくらいにルディアをじっと見つめてルディアはおいし
と笑ってくれた。
何度も本当?と聞くと本当と答えてくれる。
「やっぱり作り直すよ。練習で作ったやつの方が旨かったし。」
そう言えばルディアから一緒に作ろ?と誘われたので、お昼を食べてから家の台所で二人肩を並べて作り出す。
ルディアはレシピを見ながら俺に教えてくれた。
ーー相変わらず手際いいなぁ。ガナッシュも一発で完璧って。やっぱすごい。
と、感心しながら言われたようにすると上手く出来た。
「ありがとう。ルディア…。」
相手を見詰めて微笑む。
その頃には夕方で俺は夜の俺になっていた。
作ったチョコは皆で美味しく食べた。
色々あったが、まあ、大成功?かな?
完
最初のコメントを投稿しよう!