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咄嗟に距離をとる。
「な、な、何すんの?!」
右手の甲で、自分の唇を拭う。
あんなの、キスじゃない。
私の反応を見て、面白そうに笑う荒木。
「タダで抱いてやるよ。」
口元は笑ってるのに、目が笑ってない。
ネクタイを緩めながら近付くから、
私は一歩ずつ後退る……
けど、すぐに背中に壁が当たってしまう。
私の聞き間違いじゃないだろうか…
だって、こんな事言うはずがないもん。
「まさか、処女じゃないよね?」
……ッッ
だから、何?
処女だからって、悪いわけ?
最近まで、あんただってDTだと思ってたわ!
キッと、睨みつけると
「図星、なんだ。」
可愛いとこあるんじゃん。と、意味の分からない事を言う。
は?
なんなの?
とりあえず、それ以上 近付くなーー!
よく知ってると思っていた男は、本当は何も知らなかったんだと、初めて気付いた瞬間だった…。
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