第2話

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 クマ吉が喋らなくなり、数日が経った。 「あれはなんだったんだろう?夢か?うん、そうだ、そうにちがいない。疲れてたんだ・・・」 自分にそう言い聞かせて僕は日常に戻っていた。仕事を順調に・・・とまでいかなくても、まあ・・・それなりにこなし、上司の不満を言ったり聞いたり・・・まあ、今でも友だちが少ない僕の相手はいつもケンジだったりするんだけど・・・              ◆  その日も僕は飲み屋でケンジと他愛もない話をしていた・・・              ◆ ・・・はずなんだけど・・・ 気づくと部屋の中にいた手にはクマ吉が握られていて、見ると結構もみくちゃにされてたみたいだ、ちょっとだれっとしてる・・・ 「・・・相当飲んだのか、何があったんだっけ?」 「ねえ、痛い」 「ああ、ごめん・・・え?・・・うわぁ!」 「痛っ!」 僕は思わずまたぬいぐるみを床に叩きつけていた。 「あ、ごめんごめん・・・」 まだ酔ってるんだろうか?幻聴と思っていてもリアクションの間のよさに思わず誤っていた。 「僕は自分で動くこと出来ないんだよ~、ほらあの口の悪いテディベアの映画みたいにさ・・・」 「・・・」 寝よう、夢だ。そう、夢だ。 「お~い・・・また無視?」 聞こえない聞こえない・・・ 「ねえってば!」 早く消えろ!幻め! 「・・・は~、動物って気楽でいいな~」 『おまっ!・・・』危ない危ない、またツッコまされるとこだった・・・
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