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朝起きると、枕元にいたはずのクマ吉がいなかった。
ズチャ、ズチャ・・・
妙な音が近づいてくる、凄い嫌な予感がする・・・
「やあ、起きたんだ」
ズチャ、ズチャ・・・
「・・・」
「ほら見て!僕動けるようになったんだよ!」
「やめろーーーー!来るなーーーー!」
「どうしたんだよ?いや、認めたくないのもわかるけどさ僕が話せることとか夢だとでも思ってるんでしょ?」
「いや!それはいい!そんなことはもうどうでもいい!なんだ!お前のその状態は!」
クマ吉は確かに動けるようになったようだ、見れば分かる。ただ動けるようになったのは前足?だけだったようで・・・
「もう~、なんだよそのテレビ画面から出てきた幽霊見るような目は~」
「自覚あるんじゃねえかよ!なんなんだその中途半端な奇跡は!」
「僕も知りたいよ~、とにかくさ・・・」
ズチャ、ズチャ・・・
「来るな!いいから来るな!」
詰め物のビーズの音を立てながら近づいてくるクマ吉に今は恐怖を通り越し、笑ってしまうほどだったが動きのぎこちなさにやっぱりまだ慣れないようだ・・・
すがすがしい目覚めではなかったが、いや、むしろ最悪の目覚めだったかもしれないが、起きてしまったのは仕方ない、葉を磨き、朝一番のコーヒーを入れ一息ついた・・・
ズチャ、ズチャ・・・
「動くな!」
「え~・・・分かったよ~」
全く、なんて朝だ。折角の休みだっていうのに・・・
「ところで、なんでお前は今更になって喋れるようになったんだ?」
「うん、それはね、最近疲れてるでしょ?」
「・・・まあ、お前にも原因の30%くらいはあるけどな」
「でも・・・僕のことは疑問が解ければ大丈夫でしょ?」
「ああ、まあな・・・」
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