8人が本棚に入れています
本棚に追加
春休みも終わり、いよいよ始業式の日になってしまった。
俺は久しぶりに着る制服へと腕を通す。
いってきます、誰もいない部屋に呟いて学校へと向かった。
俺は身長、体重ともに不便な体格でもなく、特徴もないただの地味な奴だと自覚している。
俺には、友達がいない。
まぁ、俺地味な奴だし、恋人さえいれば十分だって思ってた。
でも、もうそれは過去の話。
俺は女々しいと自覚はしているものの、恋人に振られていまだ立ち直ることができていない。
そのため、春休みはずっと放心状態で、家に閉じこもっていて、他人とのコミュニケーションの仕方を忘れてしまっていた。
でも、別にいい。
友達なんていなくていい。
もう、裏切られるのは、嫌だし…。
しばらく歩くと校門が見えてくる。
それにしても、この門でかすぎだろ。
3mは優に超しているであろう門をくぐり、そのまま体育館へ向かい、クラス番号を確認した。
そして、下駄箱で靴を履き替えた後、新しい教室へ向かった。
三階、2-Cと書かれた教室の中に入ると、誰も来ておらず、教室の中は誰も居なかった。
ふと黒板を見ると、自由な席に座って待つように、と書かれていた。
だから俺は教室の最高ポジション、窓際の一番後ろの席に座った。
あー、暇だなあ。
最初のコメントを投稿しよう!