梅の花と鴨と狐と

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「…吉田さん。」 「ははっ、やっぱり気づいたんだね」 「殺気をあてられれば、ね」 そう、あの時見えたのは吉田さんだった。思えば、手の傷もこの人と前に会った時に傷つけたな。 だなんて、普通に考えていた。 「…どうして、ここに?」 「島原にいたら、あやちゃんが見えたんだよね。男装だったから、半信半疑だったけどね」 「あらあら。そんなに私のことが好きなんですか?」 「…………斬るよ」 「まあまあ、冗談ですよ。さて、わたしに会いに来たのだから何か訳があるのでしょう?」 「うん、そうだね。暫く、君のことを探らせてもらったよ。そしたら、花城家の子孫だったとはね。…それ以上に時渡りしたとはね」 「その情報がどうやって漏れたのかが知りたいですけどね」 どうやってそんな多くの情報を知り得たのかしらね。
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