梅の花と鴨と狐と

16/28
前へ
/325ページ
次へ
そんなことを呆然と考えていると、突如壁に押し付けられた。 束ねられた手首が…痛い 「…君の情報を知ったから、君に得な情報を教えてあげるよ」 「…」 「妖家は花城だけじゃない。他にも、鬼の生まれる鬼家。ぬらりひょんが生まれる家もある。…まあ、花城家は様々な妖怪が生まれるから特別だね」 「…なぜ、妖家だと知っているんですか」 「言ったでしょ?情報を仕入れたって」 ここで下手に何かを言えば、きっと吉田の思うがままになってしまう。 そう感じた私は口を紡ぐ。 「…そう警戒しないでよ。これでどっこいどっこいでしょ?」 「…それは…」 「ふふ、まあ、この情報と君の情報は二人だけの秘密にしてあげる」
/325ページ

最初のコメントを投稿しよう!

207人が本棚に入れています
本棚に追加