梅の花と鴨と狐と

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順々に重ねられて行く食べ終わった残骸のお皿、お皿、お皿の山。それでも私は止めることをしない。 「すいません、団子20本追加」 「………」 「すいません、餡蜜5個追加」 「……」 「みたらし団子30本追加」 さっきから注文し続け、もう100皿は優に超えてしまっただろう。 人間、本気を出すとこうなるらしい。 「…あの、あやちゃん?」 「むぐ?」 「そろそろ僕の財布の中がすっからかんだよ!」 「誰が沢山食べて良いと言ったんですか?あ?」 「すいません、僕です」 項垂れる吉田さんを無視して、私は次々と注文して次々と食べて行く。 以前、刀を向けられた腹いせと言うものだろうか。ざまあみろ。
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