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マントを被った女の人は、水晶玉をどこからか持ってきて、水晶玉越しに私を覗き込んだ。
「…あ、あの…」
「おお、これはこれは。驚かせてしまったね。私は珀(ハク)。どこにでもいる占い師さ」
「占い師はどこにもいませんよ」
「あっはっはっ!お主、面白いな。はて、お主に聞きたいことがある」
水晶玉越しに映った珀さんの顔が非常に面白い。…って、そんな場合じゃない。
私は珀さんに向き合って、真剣に瞳を見た。
「…聞きたいこととは?」
「お主、新選組は好きか?」
「三度の飯よりも新選組と沖田総司が大好きです」
「ほっほっほ!ならよろしい。これは、儂と小桜からの願いじゃ」
「は、はあ…」
もしかして、わたし選択を間違えたのかな?そう思ってしまうほど、珀さんの笑顔がこわかった。
「…新選組を救ってくれないか」
「え…?」
「大丈夫じゃ。お主なら出来る。花城彩乃」
「な、なんで私の名前を…」
「そんなのはどうでもよい!返事をせんか、返事を!」
「は、はい!」
「うむ、よろしい。お主なら大丈夫じゃ。後は任せたぞ」
ーパチっ
珀さんが指を叩いた瞬間、目の前は真っ暗になって意識が遠のいた。最後に見たのは、珀さんが手を振っている所だった
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