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ーードスッ
普通ならボスッと言う効果音じゃないの?そう思いつつも、お尻の痛さに目が眩んだ。
周りを見渡しても木しかない。一体どこですか、ここは。
微かにーーチャキッ、と蛸口を切った音が聞こえた。ん?と振り返ると無表情で立っている着物の男の人は、親切に刀を突きつけている。
これが、発端だった。
息が上手く出来なくて、冷や汗もすごくて、心臓がバクバクうるさい。
「…ねえ、君。だれ?」
「は、花城、あ、彩乃です」
怖さからか、声が震える。どうして着物をきているの?どうして、刀を突きつけているの?というよりも、ここどこ!
「そう、僕は沖田総司」
「…沖田総司?」
思わず、声が出てしまった。もちろん、沖田総司さんは黙ってるわけもなくニッコリと笑いながら方を首に当てた。
あの、瞳が笑ってないですよ?
「僕のこと知ってるの?」
「し、知ってるも何も、ゆ、有名ですから!」
「有名?ふうん」
沖田総司さんはそれだけ言うと刀をしまった。ん?んん?どうして刀をしまったのかな?
不思議に思いながら沖田総司さんを直視してるとバサッ、と羽織を被させられた。
「きゃ」
「いくら屯所の後ろの裏山だと言って、誰かに出会わない保証はない。だから、これ被ってて」
「あ、あの屯所って…」
「屯所へ連れて行くから。あ、強制だから暴れないでね?」
「…え、えええ!」
お先真っ暗みたいです。私、一体どうなってしまうのだろうか
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