君の傷痕

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倉庫、暑い。 ぐでっとラビに寄っ掛かる。 「バンビ大丈夫か?」 「(フルフル)」 「大丈夫じゃねーのか」 「だよねぇ。 クーラーつけても暑いもん」 「ねぇ」 皆が幹部部屋でぐでっとしていた、そんな時。 「太陽さんっ」 「??」 下から聞こえてきた声に、ぴょこっと顔を出す。 あれ? 下で皆で水浴びしてたのに。 ここからじゃ見えない。 とてとてと駆けて、声のした方へと駆けていく。 あれ? 誰だろう。 あの女の人。 顔色悪い。 フラフラしてるし。 その女の人と対峙してる、太陽に近付く。 「出てけっ」 「(ビクッ)」 怖い。 太陽、が。 思わず距離をとって、近くにいたヤンキー君の背に隠れる。 「え、バンビさん?!」 「出てけっテメェみてぇなクズが来る場所じゃねーんだよっ」 「ごめんね太陽……でも、一目でいいから……」 「帰れっ」
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