1章【全ての始まり】

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「アスラ様、あそこです!」 カティーナが指差した先にネリシャがうつ伏せになって倒れていた。 私は彼女に駆け寄り状態を確認する。 ……。 ――良かった、息はしている。 不思議なことに外傷も見られなかった。 「ネリシャはこの石に触れた途端に倒れたんですの。私が触ってもなんともありませんでしたのに……」 カティーナは地面に落ちている石を拾い上げた。 「紫石か……」 どうしてこんな所に転がっていたのか。 不思議には思ったが今はそれどころではない。 私は倒れているネリシャを抱き抱える。 「とりあえず彼女をテント内に運ぼう」 「そうですわね」 彼女をテント内に運び、毛布をひいた床にゆっくりと横たわらせた。
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