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「アスラ様、あそこです!」
カティーナが指差した先にネリシャがうつ伏せになって倒れていた。
私は彼女に駆け寄り状態を確認する。
……。
――良かった、息はしている。
不思議なことに外傷も見られなかった。
「ネリシャはこの石に触れた途端に倒れたんですの。私が触ってもなんともありませんでしたのに……」
カティーナは地面に落ちている石を拾い上げた。
「紫石か……」
どうしてこんな所に転がっていたのか。
不思議には思ったが今はそれどころではない。
私は倒れているネリシャを抱き抱える。
「とりあえず彼女をテント内に運ぼう」
「そうですわね」
彼女をテント内に運び、毛布をひいた床にゆっくりと横たわらせた。
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