1人が本棚に入れています
本棚に追加
「彩音…少し良いか?」
私の背後から私を呼ぶ声がします
噂をすればなんとやらです。
振り向くとそこには
腰にまで届きそうな黒髪をなびかせ、威風堂々と言わんばかりに腰に手を当て
私を見ている噂の上司が居ました。
「彩音、201号室の清掃の件はどうなった?」
大きめなつり目が不機嫌そうに細められている。
これはマズイです。
「すみません、201号室のお客様が先程退室なされましたので
清掃班には優先的に片付けを始めてもらっています」
形の良い眉が少しつり上がります。
私の目の前まで上司が迫ってきます。
「そうか、では、他の部屋の入室状況はどうなっている?」
私の上司は身長もあります。接近されると威圧感が凄いです。
…正直、ちょっと怖いです。
「予約されたお客様は滞りなく入室されています。
空き部屋にも駆け込みのお客様がボチボチと入っている様子ですね。」
そこまで聞くと満足したのか、不機嫌アイを解除し微笑む上司。
「そうか、ありがとう。では他の者と相談し、順次休憩に入ってくれ」
ホッと一息つきます。
皆さん、あれが私の上司
響 桜花(ひびき おうか)さんです。
最初のコメントを投稿しよう!