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言い返すと、親父はまじまじと俺の顔を眺めてから、「それもそうだ」と軽く肩を揺らすだけの笑いを漏らす。
ゆるやかな部屋の空気に、ほっと息を漏らす。
家の中の、安心感そのもののようなこの空気感は、親父と母ちゃんが長い時間をかけて作り上げたものなのだろう。
それに安心する俺は、やはり二人の間に生まれたガキなんだな、と思う。
そんなことを考えるようになったのは、やっぱり芽衣と出会ったからだな、と心の隅っこで気付いた。
「……あのさ」
「うん」
「俺、再婚したけど」
「ああ」
「先に謝っておく。孫の顔が見たいとか、そういうのは期待しないでくれ」
一気にそう言い切ってしまうと、親父の目が軽く見開かれたのが見えた。
「……悪いけど」
親父はしばらく俺の顔を見てから、のろのろと視線を何も映っていないテレビの方へと動かす。
「それは、あれか? お前か、彼女が子どもが嫌いだとか、そういう話か?」
「いや」
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