【番外編】シロちゃんのありえない体験-1

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  「……うん、待って」 「なんだよ」  これは夢か、幻か。 「名前、なんていうの?」 「うわっ、あからさまに怪しい」 「いや、ごめん。判ってるけど、一応」 「なに、一応って」  夢でも幻でも現実でも、芽衣に胡散臭い奴だなんて思われたくはなかった。  ファンタジーを夢見るほど自分は世間知らずではないと思うが、確証がない。  完全に夢だと判れば野放図をやらかしてやるが。 「きみ、知り合いにすごく似てて」 「うわ、オッサン、中学生の知り合いいんのかよ」  一応警戒心は持ち合わせているようだが、言外に中学生だと白状するあたりが子どもで、なんだか眩暈がしてくる。 .
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