【番外編】シロちゃんのありえない体験-1

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   彼女はそれを普通に受け流すと、好奇心を隠さないグリグリとした目で俺の顔を覗き込む。 「アンタの名前は」 「え?」 「人に訊いておいて、自分は名乗らないのかよ。親にどんな育てられ方したんだよ」  どこまでも偉そうで、思わず苦笑する。  ここに転がってたのが俺じゃなかったら、えらい目に遭うところだぞ。  ふと、いつかの芽衣の言葉を思い出す。 “何度訊いても、名前教えてくれなかった”  ──まさか。  まさかとは思うが、おい。一応、おい。  まさか、この状況がそれだとか言わないよな。 .
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