【番外編】シロちゃんのありえない体験-1

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   口では怪しいだなんだ言ったところで、俺をおちょくりたいのはその目で判る。  ……俺、どうあがいてもこの子に勝てない習性でも持ってんのかな……。  困り果てながら後ろのポケットを探ると、ありがたいことに財布が入っていた。 「……」 「なに」  おもむろに財布を取り出し中を覗き込んだ俺の手元を、芽衣も同じように覗き込む。  入社1年目だっけか。こんなもんか……。  大学を出て7年半、そう稼いでいるとは言いがたいが、一気にすっ飛ばしてみるとだいぶ収入はマシになっていることに気付いた。 .
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