【番外編】シロちゃんのありえない体験-1

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   そりゃそうか。  何の準備もなしに芽衣を嫁にしてしまえるくらいには、俺は大人の男になっていたようだ。  何とも心細い財布の中身に溜め息を漏らす。 「……ナツメ」 「うん?」 「ナツメさんと呼ぶがいい」  ユキチさんもいないことはなかったが、どうにもナツメさんとノグチさんの方が多かった。  ノグチさん一色じゃなかったことに小さく驚いたのは、妙に新鮮だ。  そういや、両方が入り混じってた時期、あったな。 「ナツメ~!? ウソくさー」  眉をひそめながらも、芽衣は「じゃあ、ナツメさん」と続ける。 .
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