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もう一度『ませてんな』と言う気にはなれなかった。
俺の思考を見抜いたようなタイミングで言われたからだ。
……ところで、美智子さんのカレシって、やっぱり雄星なんだろうか。
俺ともにょもにょあったときは、雄星に対してドライな感じに思えたけど。
本命の男の前では、そうでもないんだろうか。
……娘を置いて旅行に行こうと思うほど。
芽衣の小さな頭を見下ろした。
見下ろす角度も頭の大きさも、俺の芽衣とそう変わらないと思うのに、つむじだけで今の彼女はまだ子どもなんだってことが判るのが、不思議だった。
「じゃあ、帰ってくるまで一緒にいてやろうか。寂しいだろ」
幼い芽衣のつむじが可愛いな、と思った瞬間。
何も考えずに、そう口にしていた。
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