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そんなはずはない。
そんな失敗、学生じゃあるまいし、やらかすわけが……。
「早く。近所のオバハン達に見つかったら、ケーサツ呼ばれるよ」
「いや、それは……」
「ほれ」
ぐいっと両手を引っ張られ、無理やり上半身を起こされる。
どうやら明るいらしい。目を開けられずに、彼女の助けを借りながらなんとか起き上がる。
「……いてて……」
自分の身体でできた影の中で、なんとかうっすらと目を開ける。
目の前には、固く整えられた乾いた土。
「……俺、なんでこんなところに?」
「知るか」
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