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──言った瞬間、「ロリコン」だの「ヘンタイ」だの、好きなだけ罵られて逃げられるかと思ったんだが。
芽衣は溶け始めたソーダバーから滴り落ちそうなしずくを下から器用にすくい上げると、真っすぐに俺の目を見て、実にあっさりと言い放ったのだ。
「いいけど」と──。
俺の経験上、女が「いいけど」と言ったときは、何らかの面倒くさい条件や軽い踏み絵みたいなもんがついてくる。
「アレやコレしてくれたら許すよ」と正直に言えばいいものを、どうして毎回そんな手続きがいるんだか。
どうやら、女は男に察してもらう事象が多ければ多いほど、満足する生き物らしい。
そういう面倒くさい諸々を文句ひとつ言わずに跪いてくれる男がいいだなんて──してもらえるだけのどんな価値があって、何をしてくれたんだ、ともう少しガキだった頃は思っていた。
まあ、おっぱいとあそこは印籠のように絶対的な力を持っているとは思うが。
芽衣と一緒になった今は、少し違っていて。
別に女のいいなりになるつもりなんてない。
そんな情けないオスに成り下がるのはごめんだ。
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