第3話

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「世間一般の常識です」 常務の喉からくっという音がもれた。 「その開き直ったしゃべり方…、おまえ、外見は色っぽくなったのに中身、全然変わってないな」 常務は急にねじをゆるめたように笑いだし、  「なんか俺、久々にダッシュした」 何やら懐かしげに語りだした。   「そういえば中学の時、遊園地で今と似たようなことあったよな。 俺がおまえを追いかけて捕まえて……あの時の顔と今の顔、全くおんなじ」 あたしはきょとんとして、常務を見入った。 だってあたしにはそんな記憶は全くない。 常務の話が他人事で 事情が読めず共鳴できない。
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