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「君は褐色病の流行が人為的な災害だって事、知ってる?」
「あの日の事故は偶然じゃなくて、僕を狙った攻撃で」
「対抗策の設計図と調合表は既にあの人が描き上げていたらしい。ただ、それを自分じゃ現実のモノに出来ないって」
「事件の少し前、幼い僕に託したんだよ」
「……蝶々」
「もう全て話さなくちゃ、どうしようもないから」
「設計図と調合表の存在は絶対に隠しておくよう言われたんだ。あれは黒を白にする為のモノだけど、白を黒にも出来るから、って」
「あの人は、僕の好きだった蝶々にそれを隠した」
「設計図の欠片を、調合表の端くれを」
「今まで隠していてごめん。沢山苦しい思いをさせてしまって、ごめん」
「もう少しで終わるんだ。後は鍵になる虹羽蝶を」
「明日、一緒に蝶を探しに行ってくれないだろうか。僕はこの体だ。どうしても助けが欲しい。……もちろん、これは命令じゃない。身勝手な主人の身勝手な」
これが昨日のピクニックのまとめ。
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