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「先代様は偉大でした。毎日のように世界の役に立つ研究をし、人々の為に発明をして。部屋に入り切らない賞状の山、お礼の手紙、本当に本当に偉大な方でした。それなのに貴方様は」 私の話なんて聞いてない。 ほとんどミルクのコーヒーを飲みながら、今日も一日ぼんやり虫部屋の蝶々を眺めているだけ。 「それに何度も言ってますけど、毎日言ってますけど、私の名前はリボン君じゃありません。私には先代様からいただいた立派な名前が」 私の話なんて聞いてない。 ……なんでこんな人が、あの方の。
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