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「あ、リボン君」 長い沈黙の後、いつもの声が聞こえた。 「虫部屋の前まで動かしてくれないかな、車椅子。それと、紫羽を部屋の中に」 ……私の話は、聞いていない。 「どうしていつも」 「これは命令だよ。早くしてくれ」 いつもの声。 明るいトーンが、私に鋭く突き刺さった。 「……かしこまりました、ご主人様」 「あと一応言っておくけど自殺は駄目だよ?これも命令だから」 いつもの声。
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