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ひどい夢を見て、彼は目を覚ました。
どんな夢かは記憶にない。
ただ覚えているのは、現実と夢の境目が曖昧になるほどの不安感。
そしてどこかで味わった事があるような、喪失感。
窓から見える空には、大きな月が浮かんでいる。
ふと外の空気が吸いたくなった彼は、軋むベッドからおりると木の扉へと向かった。
傍の机に置かれた剣と指輪を身につける。
震える手を押さえながら扉を開くと、そこには。
荒れ果てた村が広がっていた。
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