第1話

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
昭和33年と言うと、父母が結婚した年である。 妹に、おっ父が、茶川龍之介で、おっ母が、小雪だよと言うと、イメージ壊れるから、やめてと言われた。 共働きで、私たち姉弟を育ててくれた。父は全盲で、マッサージ治療院、母は新聞配達。学校から帰ると、笑顔で父が迎えてくれた。母は、バイクで一日配達に、集金にと歩いていた。 父と話すのが日課だった。母の代わりに家事をした。優しい父、豪快な母。姉弟3人、ぐれもせず、明るく、笑いの絶えない家だった。 妹に言わせると、ぐれるのにも金がいる。おこづかい、そんなにもらってなかった。そうなのかな? 平成10年に、父は亡くなった。残った母に、親孝行しようねって、 心がけてはいるけど、何が孝行なのか、よくわからない。 親孝行は、まず親に笑顔を見せれば いいと、本で読んで、にこっと笑いかけたら、にたにたして気持ち悪いと母に言われた。 小さな家の小さな歴史。おっ父、私がんばるよ♪おっ母、これからもよろしく。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!