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兄妹⑧
そのとき。
一言も喋らなかった兄がボソッと言ったのです。
兄『……そんなに急がなくてもいいよ』
妹『えっ?』
兄『ゆっくり食べな』
妹『でっ、でも……お母さんが』
兄『いいから。好きなんだろ、それ』
妹『うんっ』
兄は、チラッと母親が出て行った出口の方を確認しつつ……
兄『っで?なにがあったって?』
妹『???』
兄『学校でいいことあったんだろ』
妹『う…うんっ!あのね!えっとね!今日学校でね!』
妹は、楽しげにしゃべり始めました。他愛もないことだったんですが、とっても嬉しそうに。
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