崩れる

9/9
前へ
/9ページ
次へ
様々な検査や事情聴取が終わり、暗く静かな病室で1人になると、雪に埋もれていた時の記憶が生々しく蘇る 「……ん、…あぁ、あ……」 声を抑え、パンツの中にそっと手を入れ自分を慰める 「……あん、あぁッ…イクッ…」 男の指を思い出し、同じように激しく中を掻き回す 「はぁ、あぁッ……ん」 とろとろと蜜が溢れ、下着を濡らしていくけれど…… 「……足りない……あぁ…」 目の端から涙がこぼれ落ちる もう1本、指を増やして中を掻き回し、もう片方の手で敏感になった芽を摘まむ 「あ、……イ…ク」 絶頂が去ると、蜜に濡れ冷たくなった下着や病院のシーツ、無機質な壁やカーテンなどの現実が静かに降りてくる 私も…… 涙はすでに乾いている 私も終わらない饗宴の中にいれば良かった
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加