第1話

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薄暗く、湿っぽく、薄汚れた匂いの漂う中央街の路地裏。カラスたちがたむろす横を小柄な金髪の少年が慌ただしく駆け抜けた。カラスたちは真横を人が通ったにもかかわらず、動じることもなく少年の背中を興味深げに見ている。とはいえ、この路地裏にこそ泥が逃げ込むのはいつものことだったので、その反応も当然なのかもしれない。
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