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……良いや。思い出せねぇって事はそれだけの奴だって事だ。つーか、女子高生で知り合いとか居ないし
それよりも下駄箱の方が先だな
「おい、ガングロタマゴ」
「それアタシに言ってんの!?」
「テメェ以外に誰がガングロタマゴに見えるんだよ?それよりさぁ~、俺の下駄箱に悪戯した奴知らね?」
「アァ?そんなのアタシに決まってんじゃん」
「うわ……まさかバラしてくるとは思わなかった」
こいつ分かってんのか?今から俺に半殺しにされるってのに
「ふん。そう言えばアンタ、さっき下駄箱に悪戯した奴は半殺しとか言ってたっけ?ギャハハハハッ!無理無理無理!根暗なアンタが、アタシを半殺しに出来るの?絶対に無理だって」
「おうおう、嘗めてくれるじゃねぇか?何なら、そこの戸みたいに吹っ飛ばして、テメェの中身ぶちまけてやろうか?ガングロタマゴ女!」
「嘗めてんのはそっちじゃん?3対1でどうするっての?」
「そーそー」
そう言うが早いか、ガングロタマゴの仲間であろう二人も睨んでくる
「ハッ!ガングロタマゴの腰巾着共が何人居ようが関係ねぇな?十人でも百人でも連れてきな?全員ブッ潰してやるからよぉ」
ピリピリと、教室が重い雰囲気に包まれた
久し振りの喧嘩だ。派手にやってやるぜ!
そう思った時だった
「ダメだよ遥ちゃん!」
「……アァ?」
あの真面目そうな奴が、俺を止めに入ったのだ
「喧嘩なんてしちゃダメだよ!それに遥ちゃんは喧嘩苦手な筈じゃ……」
「心配すんな。直ぐに終わるって」
「そういう問題じゃないよ!お願いだから止めようよ?ね?」
「あぁもう、うるせぇなさっきから!こちとら殺る気満々なんだよ!邪魔すんな!」
「は、遥ちゃん……?」
「大体、お前誰なんだよホント!俺の事知ってるみたいだけどよぉ!」
「……えっ?」
そう言った瞬間、そいつはまるで絶望したかの様な顔をした
な、なんだよあいつ……
「嘘……だよね?私の事、知らないなんて嘘だよね?」
「アァ?知らねぇったら知らねぇ……」
そう言い掛けて、俺は言葉を止めた
そうかこいつ……この身体の……遥のダチか!こいつは俺に言ってるんじゃない、遥に言ってるのか!
漸く気付いた俺だったが、後の祭りだった
「そんな……嘘だよ……そんなの……私達親友だったのに……中学からの親友だったのに!そんなの嘘だよ!」
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