3/11
前へ
/84ページ
次へ
そのため、近々戦争が起きるのではないかと、大臣はひやひやしていた。 武力だけは今一つのこの国。 大臣は他国との友好を深めるべく、オオミヤ王子に政略結婚を促したのだった。 「…しかし、ヨシオカは男であろう」 オオミヤ王子が眉をひそめると、大臣は更に頭を下げ、 「…いたしかたないかと」 と、同じ言葉を繰り返した。 (いたしかたないって…) ありえない、とオオミヤ王子は思った。 オオミヤ王子と、謀略の得意な国のヨシオカ王子は仲が良かった。 (…仲が良い…?) オオミヤ王子は少し思い直し、考える。 …確かに友人ではある。 会ったときはゲームをしたり、時には女の子をかどわかしたりして、楽しいっちゃ楽しい。 .
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1200人が本棚に入れています
本棚に追加